飲食店経営者も気を付けるべき業務上横領の手口は?

      2016/04/03



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飲食業に限らず、現金商売の場合は従業員などによる着服のリスクが常につきまといます。

お店の規模が小さかったり、店舗数が少ないうちは経営者の目が行き届き着服、業務上横領のリスクを抑えることができますが、店舗数が増えてくると、どうしても現金管理にリスクが発生します。

現金商売の飲食業でも、着服というケースは決して珍しくない。

そこで今回は、いろいろな現金商売の場に立ち会う機会のある会計士・税理士が着服、横領について説明します。

実際にあった横領の手口

先日、上場企業AppBANKのIRで、次のようなコメントがありました。

本件の概要と業務上横領と疑われる事実が判明した経緯

平成27年11月下旬の税務調査の過程において、当社の支払先のなかで所在の判明しない取引先が見つかりました。

内容を精査したところ、平成27年12月上旬の社内調査において、経理部門の責任者であった元役員が平成24年から平成27年までの間に、自身が関与する複数の法人等を当社取引先かのように偽装し、同法人等の口座に当社の銀行口座から不正に送金していた事実が発覚しました。なお、現時点で判明している不正な送金の合計金額は、約1億4千万円にのぼる見込みです。

こうした手口は、決して珍しくなく、むしろ常套手段の1つとも言えると思います。この会社は、現金商売をしているわけではないですが、このような手口は現金商売でも起こりえます。

経営者は、経営管理の一環として、横領の手口も知っておくべき。

御社の現金管理に穴はないか?

店舗数が少ない場合など、現金管理にオーナー、経営者の目がしっかりと行き届いているうちは従業員などによる着服・横領のリスクは高いとは言えない。

店舗数・会社の規模が増えてくると、そういうわけにはいかなくなります。

今後、もし株式公開を目指す会社であれば経営管理の一環として、現金管理についてもしっかりとした仕組みを作っておくことが必須で、上場プロセスのなかで現金管理の仕組みについても必ずチェックされます。

たとえ株式公開を目指さなくても、店舗数が増え、オーナー、経営者の目が行き届かなくなり現金管理が甘くなれば、着服などのリスクが高くなるので、それに備えた対策、現金管理の仕組み化は考えておくべきです。

AppBankの横領は1億4,000万円ですが、平成26年12月期の同社の営業キャッシュ・フローは約3億5,000万円です。営業キャッシュ・フローの約半分が横領されていたわけです。結構、痛いですね (^_^;

因みに、キャッシュ・フロー計算書の読み方については、リンク先の記事が参考になります。

参考:飲食店経営者のためのキャッシュ・フロー計算書の見方

この記事を書いた後に、他の上場会社でもまた着服が発覚しました。

参考:イワキ元役員による着服発覚!なぜ着服が発生したか?

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