飲食店をМ&Aする前に知っておくべき11つのポイント

   



東京では飲食店が増えているように感じます。インバウンド需要もあってか、例えば、今まではなかったエリアにインバウンド需要を見込んだラーメン屋までオープンしています。

反面、閉店するお店もあります。もちろん売上が伸びないという理由で閉店するお店もありますが、集客できていてもオーナーの高齢化や、お店のコンセプトを引継ぐ後継者が見つからないなどの理由で閉店している飲食店もあります。

さて今回は、お店を引継ぐということに関連して、飲食店の事業承継だったり、М&Aの際に事前に知っておくべきポイントについてお伝えします。

業績の良い飲食店は、高い価格で譲渡できますが、業績が良いとは言えないお店であっても譲渡可能です。

業績の悪い飲食店は譲渡できないと考えてる経営者もいらっしゃるようですが、譲渡できないわけではありませんので、誤解なく。

飲食店のМ&Aで代表的なスキーム

飲食店をМ&Aするときに、代表的なスキームは株式譲渡または事業譲渡です。ほとんどのМ&Aのケースでは株式譲渡または事業譲渡で店舗を譲渡しています。

株式譲渡でも事業譲渡でも、素人目線で見ると、飲食店を取得できるという点で全く同じように見えてしまいます。

しかし実際は、株式譲渡と事業譲渡は違います。また株式譲渡でМ&Aをするか、事業譲渡でМ&Aをするかで、М&A後のコストや手続きも違ってきます。

М&Aで飲食店を取得したい、あるいは売却したいという経営者はたくさんいらっしゃいますが、株式譲渡と事業譲渡のメリットやデメリットなどは事前にしっかりと知っておきた方が良いと思います。

以下、株式譲渡と事業譲渡のメリットとデメリットを中心にお伝えします。

株式譲渡による飲食店のМ&A

株式譲渡とは、その名のごとく、経営者が保有してる株式を第三者に譲渡することです。株式は会社が保有していることもあります。

この株式譲渡には次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
1.許認可や従業員スタッフなどを引継ぐ面倒な手続きが不要
2.株主総会や債権者保護手続きなど、法的手続きが不要
3.株式を譲渡した株主は、譲渡代金を取得できる
デメリット
1.未払い残業代など簿外負債を引継ぐリスクがある
2.多店舗展開している場合、全ての店舗を引継ぐことになる(特定の店舗だけを取得できない)

実際にМ&Aのサポートをすると、簿外負債を引継ぐリスクはありますが(※)、手続き的には株式譲渡の方が楽という感じはします。

※ 簿外負債についてはデュー・デリジェンスで対処します。

ただ株式譲渡で購入するということは、経営者が管理しなければならない会社も増えるということですので、会社の数だけ申告する必要もあり(当然にコストも増える)、その後に会社を合併等させて会社の数を減らすとしても、合併の際に組織再編税制が絡むこともあり、かなりのコストが発生してしまうというデメリットもあるように感じます。

事業譲渡による飲食店のМ&A

飲食店をМ&Aする場合には、株式譲渡以外に、事業譲渡というスキームを選択することもあります。

この事業譲渡とは、イメージ的には、飲食事業とウェディング事業の2事業を手掛けている会社があるとすると、飲食事業だけ譲渡するようなイメージです。

この事業譲渡には次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
1.特定の店舗だけ取得することができる
2.未払い残業代など、簿外債務を引き継ぐリスクはない
3.営業権が計上される場合には節税となる
デメリット
1.許認可や従業員スタッフなどを引継ぐ面倒な手続きが必要になる
2.株主総会や債権者保護手続きなど、法的手続きが必要になる
3.基本的に手間はかかる

確かに事業譲渡はМ&A時点では手間がかかるというイメージがありますが、М&A後を考えると事業譲渡の方がコスト面で割安になるという印象はあります。事業譲渡の時点でも組織再編税制の点は考える必要はありますが、合併に比べると「重さ」はないと思います。

飲食店をМ&Aするときのまとめ

以上、飲食店をМ&Aする際には株式譲渡と事業譲渡の2つが代表的なスキームになります。

この株式譲渡と事業譲渡には、メリットとデメリットがあります。М&Aを検討している経営者はこのメリットとデメリットをまずは十分に理解する必要があります(株式譲渡の一択ではないということです)。

また飲食店をМ&Aするに際しては、株式譲渡でМ&Aをすべきか、事業譲渡ですべきかについては(状況によるので)一概には判断できないので、まずは詳しい専門家などに相談するのがベストの選択だと思います。

ただ例えば、100店舗以上展開しているなど、多店舗展開している店舗から1店舗だけ取得するときのスキームは、事業譲渡のほぼ一択になります。



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