【解説】軽減税率の導入が外食と中食に与える影響は?

      2016/05/17



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以前もBlogでコメントしたことがありますが、法律が改正されたり、規制緩和があるとそこに新しい“仕事”が生まれます。

最近の例で言うと、マイナンバー制度の導入です。マイナンバー制度の導入で潤った業界もあります。

平成29年4月から軽減税率が導入される予定ですが、この軽減税率の導入で潤う業界もありますね。

また軽減税率はもちろん、将来的なインボイス方式の導入も視野に入れれば、レジ、POSシステム、請求書発行システム、会計システムなどは買換え・改修する必要があり、再びベンダーなどにとっては仕事が生まれます。

反面、外食や小売業、税理士事務所などは軽減税率の導入で割を食う形になり、かなり事務負担が増えて煩雑になると思います。

さて今回は軽減税率に関連して、軽減税率の導入が外食や中食にどのような影響を与えるかについて記載してみます。

軽減税率の概要

複数税率(8%or10%)については、ざっくりイメージできている方が多いと思います。

日本の財政状態が悪く、債務残高対GDP比は232%です。ユーロ危機の要因のでもあったギリシャの債務残高対GDP比200%よりも悪い値になっているんですね。また日本の借金は1,000兆円を超えていると言われています。

そういうこともあって増税が必要になるわけですが、消費税は低所得者層に対する逆進性があります。

そこで所得の低い層へのインパクトを緩和するために、軽減税率が導入されることになったわけです。

逆進性とは?

極端な例ですが、すべての世帯の食費が月間60,000万円だったとします。この場合、消費税は4,800円になります。

月間所得300万円の世帯にとってこの4,800円の負担は軽いはずで、月間所得10万円の世帯にとって4,800円の負担は重くなります。これが低所得者層に対する消費税の逆進性です。

軽減税率の対象品目は?

軽減税率の対象品目は、飲食料品(酒類と外食は除く)と新聞の2つに大別されます。

この飲食料品というのは、食品表示法に規定されている商品のことです。

で、飲食料品のなかにはティーカップと紅茶セットのような飲食料品とその他の商品がセットになっているようなものもありますが、こうした飲食料品とその他の商品が一体となったものについては、基本的に軽減税率の対象にはなりませんが、一体商品の価格が1万円以下であって、そのほとんどが飲食料品から構成(全体に占める割合が3分の2以上)されている商品については軽減税率の対象になります。

対象になる飲食料品の範囲

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(出所:成28年度の与党税制改正大綱の概要資料)

軽減税率と外食サービスの範囲

税理士が教える軽減税率と外食の範囲(出所:同上)

・例えば、縁日などによく見かける屋台のお好み焼や焼きそばは、軽減税率の対象になる場合と、ならない場合があります。具体的には、屋台の店主がテーブルや椅子などを用意していれば軽減税率の対象にはならず、用意していない場合は軽減税率の対象になります。

・またセルフサービスやカウンターだけの立食い飲食店は軽減税率の対象にはなりません。

・普及しはじめている新聞の電子版も軽減税率の対象外です。

軽減税率が外食と中食に与える影響は?

ハッキリ言って軽減税率の導入は、中食業界には追い風だと思います。したがって、中食の市場規模は伸びるでしょう。

参考:外食産業を脅かす中食産業の市場規模はどう推移しているか?

外食産業は軽減税率の影響を受けやすい業態と受けにくい業態に分かれると思います。例えば、一般的なレストランや食堂など、中食と代替性のある飲食店は軽減税率の導入で影響を受けるはず。また居酒屋などがやっているランチも影響を受けると思います。このへんは、中食に侵される可能性が高い。

逆に、客単価の高い飲食店や、個性のあるお店など中食と代替性のない飲食店はそれほど大きな影響はないはず。

軽減税率の導入によって、中食の脅威に晒される飲食店のなかには自ら中食に進出するお店も出てくると思います。

おまけ:インボイス方式とは?

平成29年4月から区分記載請求書等保存方式、平成33年4月よりインボイス方式が導入される予定です。

ざっくり説明しますが、この2つの請求書の保存が仕入税額控除の要件の1つとされていて、保存しなければ仕入税額控除できなくなります。つまり、税務上の不利益を受ける可能性があるということです。

また帳簿には「軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである旨を記載」する必要があります。これも仕入税額控除の要件です。

会社や店舗の規模にもよりますが、既に導入しているPOSレジや、会計システム、請求書発行システムなどを買換え・改修する必要があります。POSレジや請求書発行システムは小さい飲食店では導入していないと思いますが、会計システムはほぼ全ての飲食店でも導入しているはずですので、この点はキッチリと対応した方が良いでしょう。

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【事例】外食で食べ残しの持ち帰りは軽減税率の対象か?

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