儲かってるけど、お金がない飲食店のカラクリを見える化した。

      2016/03/19



7319099334_46d5023d01_zPhoto credit:tonicito

黒字倒産という言葉があります。黒字倒産とは、利益が出ていてもお金が足りず倒産することです。

有名な実例としては、2008年アーバンコーポレーションという上場企業が過去最高の売上高と純利益を記録した直後、倒産したケースが記憶に新しいです。

さて今回は、黒字倒産に関連して、飲食店の資金繰りに関するお話です。

飲食店、メーカー、IT企業など業種を問わず、資金繰りというのは経営者にとって大きな課題の1つですが、今回は利益は出ているけれど、なぜか利益に見合うお金がないケースについて簡単に説明します。

儲かってるけど、お金がない飲食店の盲点

儲かっているけれど、利益に見合うお金がない原因というのは1つではなく、複数あります。

ここでは、その典型的な原因の1つについて説明します。

まず利益は売上-費用で計算されます。

利益=売上-費用

飲食店が金融機関から借入をしていたとして、借入金の返済というのは、費用にはあたりません。したがって、借入金の返済という支出があったとしても、その支出は費用ではないため売上からは控除されず、利益にも反映されません。

借入金返済という支出は、利益からは控除されていないということです。

ここに、一見儲かっていて利益は出ているように見えるけれども、実際はお金がないという現象が生じてしまいます。

これを仕訳で見える化すると下のようになります。

(借方) 借入金 100  / (貸方) 現金 100

この(借方) 借入金 100はPLには計上さず、利益にも反映されません。

※財務諸表の見方を簡単に知りたい方は、下の記事をお勧めします。
参考:会計士が教えるビジネスマンのための財務諸表の見方と読み方

借入金返済の存在が、儲かっているけれど、利益に見合うお金がない原因の代表例です。

ちなみに、借入金の利息の支払に伴う支出は費用なので、売上高から控除されています。したがって、利息の支払という支出分は、利益から控除されているということになります。

仕訳で見える化すると下のようになります。

(借方) 支払利息 10 / (貸方) 現金 10

利益のうち、借入金の返済にはどれくらい充てるべきか?

ここまでは、儲かっているけれどお金がない原因について簡単に説明し、利益には反映されない借入金の返済の存在がその原因の代表例でした。

それでは、利益のうち借入金の返済にはどれくらい充てるべきか?という疑問も生じます。

この点に関しては、利益のうちどれくらいを返済に充てるべきかという視点で考えるよりも、正確には、キャッシュ・イン・フローのうちどれくらいを返済に充てるべきかで考えるべきです。

キャッシュ・イン・フローのうち、どれくらいのキャッシュを借入金の返済に充てるかについては一定の“目安”がありますが、飲食店が置かれた状況によって、その目安に違いがあります。

つまり、業績低迷している飲食店と順調な飲食店では返済に充てる目安は異なるということで、また、キャッシュ・イン・フローのうち、これ以上返済には充ててはいけない危険水域もあるということです。

実際、飲食店などからの依頼によって、資金繰りを含む店舗運営のアドバイスをするときも、その飲食店の置かれた状況によって、その“目安”について違ったアドバイスをしています。

また計画などを立てる際も、その返済の“目安”に基づいて、返済計画、資金繰り計画等を作成しています。

キャッシュ・イン・フローのうち、どれくらいのキャッシュを借入金の返済に充てるかについては、唯一の正解はないということになります。

まとめ

・儲かっていてもお金がない原因の1つは、借入金の返済が利益には反映されていないから。

・キャッシュ・イン・フローのうち、どれくらいのキャッシュを借入金の返済に充てるかについては、唯一の正解はない。

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