【要確認】飲食店経営者のためのマイナンバー3つのポイント

      2016/10/21



既にマイナンバー業務に着手している飲食店は、大手を除いて、意外に多くないと思います。

従業員・スタッフの多い大手は既にマイナンバー業務に着手しているはずですが、もし着手していないとすれば、警戒レベル5程度に相当。かなり出遅れているし、対応が遅すぎ。

ここでは、大手ではなく、中小・個人事業主の飲食店経営者を念頭にして、必要最低限押さえておくべきマイナンバー業務の3つのポイントについて説明します。

マイナンバー制度のおさらい

ご存じの通り、平成28年1月1日より「社会保障・税番号制度」(通称、マイナンバー制度)が開始され、下のような通知カードまたは個人番号カードが発行されています。

card01

マイナンバー制度については、制度開始前に一通り勉強したけれど、今となってはすっかり忘れた飲食店経営者・管理職の方も多いと思います。そこで改正点も踏まえつつ、マイナンバー制度の概略をおさらいします。

まずマイナンバー制度とは、日本に住民票を有する日本人と外国人の一人ひとりに12桁の「個人番号」(通称、マイナンバー)を割振る制度のこと(法人には、13桁の「法人番号」が割振られます)。

このマイナンバー制度は、社会保障と税に関する行政の効率化・透明性を高めることや、公平な税負担の確保、公正な社会保障の給付を目的とした制度です。

従来は、例えば「住民票コード」や「基礎年金番号」、「運転免許証番号」など、個人を識別するための番号が各分野、行政管轄ごとに存在していたため、その事務手続きが非常に煩雑でした。また社会保険の不正受給や、納税を不当に回避する脱税事件などが大きな社会問題にもなっていました。マイナンバー制度は、こうした事務手続き上の煩雑性回避や、脱税等の社会問題に対する牽制機能もその役割の1つとなっています。

補足:マイナンバーの利用範囲

マイナンバーを利用できる分野は「社会保障」、「税」、「災害対策」の3つの分野に制限されています(通常、企業が関係するのは「社会保障」と「税」の2分野)。さらにマイナンバーを利用できる行政手続きは法律で限定されていて、法律で定められた目的以外で利用することはできない。マイナンバーの利用にこうした制限が設けられているのは、個人情報の漏洩や、他人のマイナンバーを悪用した被害等の防止にあるからです。利用目的の制限を超え、例えば利用目的を偽って他人のマイナンバーを不正入手すると処罰の対象になることには頭の片隅に置いておくべき。 

経営者が最低限押さえるべきマイナンバー業務3つのポイント

マイナンバー関連業務について、ポイントとなるのは3つでは足りないと思います。ただ必要最低限、外してはいけないポインは3つだと思うので、この3つに的を絞って簡単に説明します。

※ マイナンバーの収集・本人確認・管理以外にも、関連業務の洗い出し、収集対象者の洗い出しなどの業務もポイントになる。これらについては某雑誌の記事として記載してありますのでその雑誌発売後にお知らせします。

これらのポイントのについては、リンク先で紹介している飲食店経営11月号の特別企画のなかで説明しています。

参考:【飲食店経営】11月号の特別企画に掲載されました。

1. マイナンバーの収集

まずマイナンバーに関する事務手続きで、慎重に対応する必要のある業務の1つとして、マイナンバーの収集があります。

飲食店の場合には、従業員、アルバイトはもちろんですが、扶養家族や既に辞めてしまったバイト、パートの人からもマイナンバーを収集する必要があります。この点は漏れがないように注意が必要。

マイナンバーを収集するタイミングとして効率的なのは年末調整のタイミングですが、アルバイト・パートについては採用時点で収集すべきと言えます。もっとも、そのマイナンバーの収集後はマイナンバーの管理も慎重に対応する必要があります。

ちなみに既に辞めてしまったアルバイト等からは、郵送やメールによってもマイナンバーを取得することが可能です。

2. 本人確認

マイナンバー関連業務の2つ目のポイントとしては本人確認があります。

この本人確認はマイナンバー取得時に実施し、具体的にはマイナンバー提出者の番号確認(正しい番号であることの確認)と身元確認(手続きを行う者が番号の正しい持ち主であることの確認)を行います。

本人確認3つの方法
マイナンバーに関する本人確認

扶養家族の本人確認については従業員が行えばよく、事業主が扶養家族の本人確認をする必要はありません。

3. マイナンバーの管理

従業員から取得したマイナンバーが社外に流出すると個人情報まで漏洩してしまい、お店にとっては訴訟リスクに晒される可能性があります。また処罰規定も設けられています。

取得したマイナンバーを厳格に管理すべきなのは言うまでもないこと。

そして店舗や会社の規模によって、マイナンバーの管理の仕方は様々考えられます。

例えば、小規模な飲食店では、マイナンバーが必要な都度、アルバイトなどから取得して破棄するということも考えられるし、エクセルでマイナンバー管理表を作成して管理する方法や、それなりに会社の規模が大きければクラウドサーバを使って管理する方法もあります。

マイナンバーの管理の仕方については店舗によって最適な管理が異なると言えるので、流出・遺漏リスクを検討しつつ、ベストな管理を選択すべきです。

【おまけ】マイナンバーの運用開始で従業員の副業はバレるか?

ネット上では、マイナンバー制度の運用開始によって会社に副業がバレるといった情報が実しやかに流れていて、未だにカン違いしている方が多いように感じますが、これについては内閣官房webサイトのQ&Aには次のような記載があります。

Q1-4-3 マイナンバー制度で副業が会社にばれてしまうというのは本当ですか。

A1-4-3 マイナンバー制度導入に伴い、地方税関係手続に変更が生じるものではなく、マイナンバー制度の導入により副業を行っている事実が新たに判明するものではありません。
 住民税の税額等は、特別徴収額の決定通知書により給与支払者を経由して納税義務者に対して通知されており、この通知書に前年の給与収入合計額が記載されていることから、現在でも、勤務先の企業が支払った給与額との比較で、副業を行っている事実が判明する場合もありうると考えます。(2015年12月回答)

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