【社外㊙】居酒屋が絶対に損しない“飲み放題”のカラクリ

      2016/11/02



税理士・会計士が飲み放題のカラクリについて説明します

懇親会や飲み会の場合には、ほとんどのケースで飲み放題だと思う。この飲み放題について「お店側は損しないのか?」と思ったことのある人は少なくないはず。

そこで今回は、居酒屋が損をしない飲み放題の仕組みについて説明します。

※ 標準的な居酒屋を前提とします。

飲み放題では平均的に何杯飲むか?

飲み放題とは言っても、飲み放題をオーダーした人の全員が100杯もオーダーすると、料金にもよるが、さすがにお店は採算が合わない。

そこでまずは、居酒屋での飲み放題(2h)を考える前提として平均的に1人何杯飲むかを知っておく必要がある。

結論から言うと、居酒屋での飲み放題で飲む杯数は、平均で1人4~5弱杯程度です(当事務所集計データ)。

自分自身でも数か月に1度のペースで30人前後の懇親会を開催しているけど、参加者の飲むペースを見ていても、この平均値は妥当な値だと思います。女性の場合は、これよりやや少ない。

飲み放題というと、みんな沢山飲むだろうというイメージがあるかもしれないけれど、実はそれほど飲んでいない。

懇親会や飲み会、宴会、パーティーは飲むことが目的ではなくて、基本的にはコミニケーションが目的なので、4~5杯弱といった数値に落ち着くのだと思います。

価格から考える「飲み放題」の仕組み

で、飲み放題で1人が飲むのは4~5杯弱なので、ここでは飲み放題で1人が飲む量を4.5杯と仮定します。

ある居酒屋のドリンク1杯の平均値を550円とした場合、飲み放題にしないで、その都度2時間内でオーダーとする場合には、550円×4.5杯=2,475円と計算できる。

したがって、例えば、飲み放題2時間1,500円と打ち出した場合には、2,475円よりも安いので、お客は十分にお得感を感じることができる。

居酒屋の飲み放題の料金体系として、安ければ1,000円前後から、標準的には1,500円程度から飲み放題を提供しているので、お客に対して十分にお得感をアピールできていることになります。

単品オーダーにして4.5杯飲んで2,475円となるところを、飲み放題にして1,500円(1杯333円≒1,500円÷4.5杯)ならば確かに安いし、お得感がある。

価格から考えた場合の飲み放題の仕組みには、お客に対してお得感を打ち出しているという点に特徴があります。

原価から考える「飲み放題」の仕組み

そもそも飲み放題で提供されるお酒は、当然のことだけれど、高価なお酒ではない(料金次第だが、稀に良いお酒を使うこともあります)。

実際に原価がどれらくになるかというのは、何を飲むかによって異なるが、ここでは2時間の飲み放題でビール2杯、サワー2杯、ハイボール0.5杯の合計4.5杯(飲み放題平均値)を飲むと仮定して原価を計算してみることにします。

freedrink

イメージしやすいようにするために、スーパーで販売されているプレミアムモルツ350cc、(レモンサワーの例として)氷結レモン、トリスハイボールの価格を原価とする。

実際の原価はスーパーで販売されている価格よりも、もう少し安い。

※ また飲み放題で使用されるグラスは400ccのジョッキを前提とします。 

上の写真を見るとわかるが、ザ・プレミアムモルツ約200円、氷結レモン約100円、(写真にはないが)トリスハイボール約140円です(いずれも350cc)。

4.5杯飲むとした場合、プレミアムモルツ2杯×約200円、氷結2杯×約100円、トリスハイボール0.5杯×約140円で、合計すると飲み放題平均値の原価は約670円になる。

このように基本的には安いお酒が提供される飲み放題で、4.5杯飲んだときの原価が飲み放題の料金以下になるのは明らかだ。

仮に、ジョッキ2杯、サワー2杯、ハイボール0.5杯とは違ったドリンクの組み合わせにしても、平均値4.5杯の原価は飲み放題の料金以下になることは容易に想像がつく。

いずれにしても飲み放題の平均値4.5杯の原価は、飲み放題料金よりも低いことがわかる。

原価から考えた場合の飲み放題の仕組みには、あたかも居酒屋が損をしているのではないかとの印象をお客に与えつつ、全体としてみれば原価割れしていないという仕組みになっています。

居酒屋の飲み放題で、中ジョッキは何杯飲むと元が取れるか?

最後に、1,500円の飲み放題で中ジョッキを何杯飲めば元を取れるかを計算してみます。

中ジョッキのサイズは400ccを前提とするが、注ぐ際の泡を考えると、ビールは350ccでもグラスをいっぱいにできる。

※ ちなみにジョッキに注ぐ際は、ビール:泡の比率を約7対3にするとビールが美味しそうにみえるんですね。

ビールの原価は1杯約200円として計算すると、7.5杯(1,500円÷約200円)飲めば、だいたい元は取れる計算になります。

※ ビールの銘柄により、元が取れる杯数は若干異なる。

他の参加者とコミニケーションを取りながら2時間で中ジョッキ7.5杯超を飲むのは、普通のビジネスマンにとっては厳しいし、相当ペースを上げながら飲まないと元は取れないことになる。

まとめ

居酒屋の飲み放題はお客さんにとってお得感を演出しつつ、全体としては原価割れしない仕組みになっている。

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