【キホン】親族に支払う給与は経費として計上できるか?

      2017/02/14



時々、コンサルタント称する人物が脱税指南をしてニュースになっていることがあります。

あれはなぜ事件化するかというと、税務の実務経験がなく税務リスクに対する認識が甘い状態で危ないスキームを提案するからです。

数年前ニュースになったのが、実態のない事業を営む個人事業主(兼サラリーマン)が損益通算制度を悪用して税金の還付を受け、これを指南したコンサルタントが逮捕されました。

これもですね、まともな実務経験があるならば、こうしたアドバイスは絶対にしない。

さて今回は、所得を圧縮することに繋がる親族への給与が経費として認められるかについてお話します。

経費に計上できるのは青色申告専従者給与だけ

まず原則的なことから言うと、個人事業主が生計を一にする配偶者や親族に支払う給与は必要経費にはなりません。これが原則です。

で、この場合には「生計を一にする」とはどういうことを言うのかをある程度ハッキリさせる必要があります。

この生計を一にするとは、

法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。

(1)勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
 イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
 ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合

(2)親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

で、これを読むと"生計を一にする"にあたるか否かを判断するときのポイントは次の2つになることがわかります。

・必ずしも同居しいている必要はない

・同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、生計を一にするものとなる。

結論を簡単にもう一度言うと、個人事業主が生計を一にする親族に支払った給与は、その個人事業主の必要経費として認められないということになります。

青色事業専従者給与は必要経費となる

生計を一にする親族への給与は必要経費にならないのが原則ですが、配偶者や親族への給与が一切必要経費として認められないと、それはそれで問題です。

実は、親族等であっても青色事業者専従者にあたれば、給与は必要経費として経費計上できることになっています。

で、この場合にも青色事業者専従者の意味をある程度ハッキリさせる必要が生じてしまいます。

青色事業専従者の意味

・青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること

・その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること

・その年を通じて6月を超える期間、その事業に専ら従事していること

この3つの要件を満たせば、青色事業専従者にあたり、その給与は必要経費に算入できることにます。

ついでに付け加えると、青色事業専従者給与を必要経費に算入させる場合には、「青色事業専従者給与に関する届出」を提出する必要があります。

実態のない青色事業専従者給与は?

冒頭で、実態のない損益通算を指南して逮捕されたコンサルタントのお話をしましたが、青色事業専従者給与に関する届出は提出し給与を経費として計上しているけれども、実際は青色事業専従者にあたる親族は働いていない個人事業主もいるはず。

これは実態がないので、経費として計上するのはキビシイ。

顧問の税理士等がいれば架空経費を計上を勧めるようなアドバイスはしないけれども、顧問税理士をつけていない個人事業主のなかにはこうした経費を計上している方もいると思う。

こうした処理にはリスクがあることを事前に認識していおた方が良い思います。

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