飲食店のインバウンド対策で外国語メニューは用意すべきか?

      2016/05/17



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海外旅行をした際に飲食店に入って、現地の言葉で書かれたメニューしかないと不安になるときがあります。

よくわからずにオーダーして、料理が出てきたときに初めてメニュー表の意味を理解する。こんな経験をしたことはありませんか?

これも海外旅行の醍醐味の1つですが、海外旅行中に摂れる食事の回数は限られているので、毎回希望通り、目的通りの料理を食べたい。

以前、スペインを旅行したときに、マッシュルームのアヒージョを食べたかったのだけれど、スペイン語で書かれたメニュー表しかないために、それを頼んだつもりが全く別の料理が出てきました。

そこで今回は、海外旅行に関連して、飲食店のインバウンド対策についてのお話です。

訪日外国人数の推移

他の記事でも訪日外国人数の推移について簡単に記載したことがありますが、おさらいとしてもう1度確認します。

訪日外国人数の推移訪日外国人数(出所:JNTO公表資料より作成)

2015年は2,000万弱でした。

メディアの情報だけを見ていると、世界中から日本に来日しているという印象を受けてしまいますが、少ない情報だけを飲みこむと「木を見て森を見ず」になりかねないので旅行者全体の動きを確認してみます。

マクロ的に見る!海外旅行者の動向

下の2つの表を見れば、ざっくりとした全体的(世界的)な旅行者の動きがわかります。

海外旅行者数海外旅行者数ランキング(出所:世界統計白書を基に作成 単位:万人)

外国人訪問者数外国人旅行者数ランキング(出所:世界統計白書を基に作成 単位:万人)

全体的な動きをみれば、外国人訪問者が一番多いのはフランスで、海外旅行を一番しているのは中国人ということになります。

日本には、2,000万人弱も来日していますが、全体的な旅行者の動きからすればそれほどでもない。それでも2,000万人はきていて、この旅行者の消費額は2兆円強(2014年)です。

訪日外国人の内訳

日本に話を戻して、訪日外国人の内訳を確認します。これを見れば、世界中から日本に外国人が来ているのかどうか、またどこの国が多いか、インバウンド対策の焦点が一目でわかります。

訪日外国人の内訳2015年訪日外国人の構成比(出所:JNTO公表資料より作成)

これを見れば簡単にわかりますが、日本に来ている外国人のうちの7割強が中国、韓国、台湾、香港です。で、アジアだけで8割。

インバウンド対策の優先順位は、中国、韓国、台湾、香港の上位4つ+英語です。

彼らは日本のどこに行っているか?

上位4つは、日本のどこに行っているかということも気になります。

そこで、どこの国の人が、どこに行っているかということも一覧にしてみました。

訪日外国人の訪問地訪日外国人はどこに行っているか?(出所:JNTO公表資料より作成)

東京、大阪、京都、愛知が訪問地となるのは当然ですが、意外に大分がランキングしています。

そして埼玉は全く圏外 ><;

外国語メニューは用意すべきか?

訪問地上位にランクインしている都市にある飲食店は、インバウンド対策をしてもムダにはならないということですね。

そして、そのインバウンド対策の具体的の1つになるのは、中国語、韓国語、英語対応のメニュー表の作成ということは明らかで、効果の良くわからない・ペイしない媒体に広告を出して集客するよりも、外国語メニュー表を作ってインバウンド対策をした方がパフォーマンスが良いのではないかと思います。

もちろん看板には「外国語メニューあり」と明記します。

またこの外国語メニューの作成について、日本政策投資銀行と金沢大学香坂研究室による共同レポート(訪日外国人に対する調査)には、興味深い記述がありました。

調査の結果、飲食店の大多数(85%)が外国人客の呼び込みに対して消極的であることが明らかとなった。その理由として、飲食店は「外国語への不安」を挙げている。しかし、受け入れ側の飲食店が「言葉の壁」を意識しているのに対し、訪問者側の外国人客は、「店員との意思疎通」にそれほど不満を抱いていなかった。むしろ、味やおもてなしでの外国人客の満足度は極めて高く、飲食店としての基礎である「料理の味」と「接客」という点では非常に高い評価を受けていた。

反対に、課題も明らかとなった。例えば「メニュー上の外国語表記」について、半数以上の飲食店が「重視する」「やや重視する」と回答したにもかかわらず、外国人客の満足度はそれほど高いものではない・・・

(出所:金沢大学香坂研究室・日本政策投資銀行)

要するに、この調査からもわかるように、訪日外国人は、メニューの外国語表記についてはほとんど満足していないということです。

これが課題であり、チャンスでもある。

訪日外国人は日本でいくら消費しているか?

訪日外国人が、日本でいくらくらい消費しているかということも気になります。そこで最後に1人あたりの消費額も概算してみた。

国別1人あたり消費動向2014年訪日外国人1人あたり消費額(出所:世界統計白書を基に作成 千円未満切り捨て)

2014年訪日外国人の消費額は2兆円強なのですが、中国、韓国、台湾、香港だけで1兆円越えしています。

意外に健闘しているのはベトナム人で1人あたり消費額は、中国を抑え、1位。ただベトナム人全体の消費額は295億円で、中国の5,500億円には及ばない。

いずれにしても、百貨店や家電量販店などはガッツリとインバウンド対策しているという印象があるのだが、ほとんどの飲食店のインバウンド対策は出遅れていると思う。

ラオックスは、2015年12月期の連結決算でインバウンド効果で過去最高益を叩き出してますからね。

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