飲食店の開業予定者が知らないと恐い会社の乗っ取られ方

      2016/08/10



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2月1日は償却資産の申告期限で、クライアント先にも他店舗展開している飲食店などがあるために都内あちこちの都税事務所、首都圏の県税を巡ってましたが、期限日にもかかわらずそれほど混雑していませんでした。というより、全く混雑していなかった。

さて今回は償却資産には全く関係ないですが、会社の乗っ取りや経営権支配に関連するお話です。

この記事の対象は、会社法を全く知らない方や、会社法に詳しくない方、経営リスクを事前に知っておきたい方などです。

逆にいうと、会社法をカジッたことがある人は全く読む必要なし!

で、飲食店の開業予定の人に限らず、他の業種でも起業・開業を予定していれば知っておいて損はありません。

起業・開業しても会社から追い出されるリスク

会社を設立して開業・起業しても、会社から追い出されるリスクってあります。

頻繁にあるわけではないけれど、珍しいとも思わない。

以前、現金着服のお話をしましたが、頻度で言うと、着服の方が発生件数は多いはずです。

参考:イワキ元役員による着服発覚!なぜ着服が発生したか?

会社から追い出されるリスクは、経営権を支配されていること原因です。

具体的事例

例えば、資金が豊富なAと、ノウハウを持っているBがいたとします。

そしてAがBに
「私が出資して、あなた(B)を社長にしてあげるから一緒に会社をやろうよ」というのが典型的な誘い文句です。

会社設立直後は、Bが社長になって会社を運営します。Bのノウハウを抜いて、商標登録などが完了し、経営を軌道に乗せたら、Bを会社から追い出します。

A:「Bくん、明日から会社に来なくても良いよ」

これが超基本的なBを会社から追い出す方法です。

ノウハウなどを抜いて、会社を軌道に乗せたらBを社長から解任する。

出資して、議決権の3分の2以上を持っていれば、会社を自分の思い通りに運営できるんですね。

だから出資して全ての会社議決権を持っているAがBを会社から追い出すのは簡単なわけです。

ちなみに役員の解任は、すべての議決権の過半数を持っていれば可能です。

こういう基本的なことを知らずに会社の役員などになると、都合の良いように利用されて、挙句の果てに会社から追い出されるという悲劇に遇うので注意が必要です。

特に開業・起業、独立するにあたって他人から出資を受けるときには注意が必要で、議決権の保有割合にも細心の注意が必要です。

この例のように、一方が会社から追い出される実例というのは実際にあります。

共同経営で開業する場合はどうするか?

開業・起業、独立にあたって自分が信用している友人などと一緒に共同出資で会社を設立し、2人が代表取締役になるケースは珍しくありません。

こうした場合は、議決権の保有割合を50:50にせずに、51:49にするように勧めています。

実際、私のクライアントにも共同経営している会社があり、このように勧めています。

議決権の保有割合を50:50にした場合、どちらかが反対すると法律上何も決まらず会社運営が全く進まないリスクがあって、またどちらかが議決権の3分の2以上を持ってしまうと、一方が好き放題に経営できてしまうからです。

将来、株式公開を目指していて資本政策が絡んでくると単純なお話にはならないですが、基本的には一方が議決権が51%~67%未満のレンジになるようにします。

ポイントになる議決権の比率は51%(議決権の過半数)、67%(議決権の3分の2以上)です。

なぜポイントになるのは51%と67%か?

会社の運営に関しては基本的に株主総会の決議が必要になるわけですが、決議する内容によって株主総会の決議要件が違います。

例えば、取締役の選任・解任などは議決権の過半数(51%以上)が必要なんですが、会社の合併や会社分割などの大切なことは議決権の3分の2(66.6)以上必要になります。

会社にとって大切なことは3分の2以上必要で、その他の事項は基本的に過半数で決定できます。

ですので、誰が、どれくらい議決権を持っているかということが会社運営上とても大切になるわけです。

まとめ

開業・起業、独立にあたって誰かと一緒に事業をする場合には、議決権比率に注意する。

※ 今回お話した方法は、キホンのキ的な手口です。悪質なところはもっと手の込んだ手口を使います。ただ悪用厳禁のため、Blogではここまで。

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