【解説】イワキ元役員による着服発覚!なぜ着服が発生したか?

      2016/04/29



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横領と窃盗の違いを知っていますか?

大きな違いの1つは、着服する対象物についての「占有」があるか否かです。

ざっくりしたイメージで説明すると、売上金を管理する雇われ店長が店舗のお金を着服すると横領になるけれど、アルバイトが着服すると窃盗になるはずです。

店長には売上金に対する占有があるけれど、アルバイトには占有はない

話は変わりますが、先日、実際にあった業務上横領の手口についてお話しました。

参考:飲食店経営者も気を付けるべき業務上横領の手口は?

一部の新聞でも取り上げられていますが、今回も実際にあった上場会社イワキ(医薬品事業)の事例をもとに、なぜ不正が起こったかについて簡単にお話します。

イワキ元役員による事件概略

これはイワキが公表している事件概略です。

ホクヤクで経理業務等を担当していた元取締役兼業務部長(以下「元役員」という。)が、平成27 年10 月末までの10 年以上の長期にわたり、ホクヤクの預金口座から引き出した総額1 億2,600 万円を着服し、パチンコ等の遊興費や消費者金融等の借金の返済のために費消していた事実が判明しました。元役員は、当該不正行為を隠ぺいするため、銀行残高証明書の偽造や不正な報告を行っていました。

※ ホクヤクはイワキの連結子会社

このBlogでも何回か着服や横領については記事にしていて、そのなかでもお話していますが、会社内部で着服や横領があるということは特に珍しいことではありません。

仕事柄たくさんの会社に伺いますが、多くの会社で頻繁に横領などが発生しているとまでは思いませんが、珍しくもない。

地域性も関係しているかなと思うこともあります。

東北などは良い人が多いので、私の場合、東北にある会社に訪問して会社内部で横領があったというお話を聞いたことは一度もありません。

なぜホクヤクで不正が起こったか?

2016年1月13日、イワキは元役員が行った不正についての調査結果を公表しています。

10年以上の長期にわたって本件不正行為が発覚しなかったのは、子会社元役員がホクヤクの主要な経理業務を実質的に一人で担っていたこと等によります。

主要な経理業務を実質的に一人で担うというのは、会社内部で着服が発生する超典型的なパターンです。

超典型的すぎて、経営管理系の書籍では必ずと言って良いほど紹介されています。教科書通りに不正が発生しています。

主要な経理業務を実質的に一人で担うと言うことは、担当者1人で好き勝手なことができるということで、いつ不正が発生しても不思議ではないです。

このように不正がいつ発生しても不思議ではない状況を放置していたという点では、経営管理にも問題があって、事前に対策を打っておくべきだったと思います。

ホクヤクでは、着服が発生する超典型的な状況にならって不正が発生してしまったということですね。

今回事件が発生したイワキは主に医薬品事業を展開していますが、医薬業界に限らず、飲食業界でも、IT業界などでも、どこの業界でも役員や従業員による着服というリスクは必ずあります。

再三お話していますが、会社の規模が小さかったり、店舗の数が少ないうちは、経営者が会社内部の隅々までしっかり管理できますが、大きくなってくると経営者の目が行き届かなくなります。

そうした場合、どうやって会社内部を管理するかというのが1つの課題になるわけです。

上場を目指したり、店舗数や子会社を作って会社の規模を拡大していくときに会社内部の仕組みをどう作るかということは、経営管理上重要な課題の1つです。

そして会社内部の仕組み作りが、会計士の仕事でもあります。

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