【キホン】飲食店経営のための採算ライン分析方法

      2016/07/27



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若い時は、誰でもラーメン好きだと思いますが、歳を重ねると健康管理にも気を付けるようになるので、ラーメンを食べる回数は減少してきました。

ラーメンは日本食の代表格で、また実際に美味しいので、海外で人気のある理由も良くわかります。

さて今回は、飲食店経営者のための計数管理についてのお話です。

計数管理という言葉は、抽象的で、イメージを掴みにくいかもしれませんが、簡単にいうと、原価率など飲食店経営上の数字をいかに管理するかということです。

飲食店経営にとって集客は非常に大切なことは言うまでもありませんが、集客ばかりに気を取られ数字の管理が杜撰になると、いづれ資金ショートしてアウトになります。

計数管理といっても、原価管理、原価率の管理、人件費の管理などたくさんあるわけですが、今回は損益分岐点についてのお話です。

損益分岐点というと、損益分岐点売上高が非常に有名ですが、損益分岐点売上高以外にも簡単に触れたいと思います。

知らなとマズイ、飲食店の損益分岐点売上高

損益分岐点とは、既にご存じの通り、損益が分岐する売上高のことで、別の表現をすると、営業利益がゼロになる売上高です。

この売上高よりも金額が大きくなると、営業利益が+になり、小さいと営業利益は-になります。

損益分岐点売上高とは、営業利益が+と-に分岐する売上高とも言えます。

数字が得意でない方は、こちらの記事をお勧めします。

参考:会計士が教えるビジネスマンのための財務諸表の見方と読み方

さて、損益分岐点売上高を図にすると下の表のようになります。

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総費用を表しているラインCと赤いラインが表している売上高が交差するPが損益が分岐する売上高です。

売上高と総費用の間は利益になります。

Pよりも売上高が増えると、営業利益はプラスになります。

そして、損益分岐点売上高は次の式で求めます。

損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

変動費率というのは、売上に占める変動費の割合で、例えば、1,000円のラーメンのうち変動費の材料が400円だとすると、変動費率は40%になります。

損益分岐点売上高を知っていれば、採算を獲るための売上高が事前にわかり、その売上を挙げるために、どういった戦略・戦術を採るかを事前に考えることができます。

ここまでの損益分岐点売上高のお話は、管理会計の本や簿記の教科書にも載っているのでご存じの方も多いと思います。

損益分岐点売上高を知るために、変動費と固定費をどう分けるか?

上で、損益分岐点売上高は

損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

と示したました。

ということは、損益分岐点売上高を計算するためには、費用を固定費と変動費に分ける必要があるということになります。

固定費と変動費の分け方は、いくつかの方法があります。

もっとも簡単な方法は、人件費や材料費、水道光熱費といった項目を1つ1つ自分の判断で固定費と変動費に分けることです。

この方法が最も簡単な分け方です。ただ人によって、ある項目を変動費にするか固定費にするか、判断が分かれることも生じます。

ちなみに、会計ソフトによっては変動費と固定費を自動で振り分けるものもあります。

いずれにせよ、損益分岐点売上高を把握するためには、費用を固定費と変動費に分ける必要があるということで、最も簡単に分ける方法は、自分の判断で費用を固定費と固定費に分けることです。

ここまでのお話も、ほとんどの管理会計の本に載っているのでご存じの方も多いと思います。

補足:キャッシュフロー分岐点売上高とは?

損益分岐点売上高以外に、キャッシュフロー分岐点売上高というものもあります。

キャッシュフロー分岐点売上高は、教科書などにはほとんど掲載されていない考え方で、いわゆる損益ではなく現金収支が分岐する売上高のことです。

損益分岐点売上高を計算する際は、減価償却費のような現金支出のない費用も含めて計算しますが、キャッシュフロー分岐点売上高を計算する場合には、現金支出のない費用は計算要素には入れず、現金収入と現金支出がある収益と費用を基に計算します。

この売上高を事前に知っていれば、短期的にお店の資金繰りを悪化させないために、どれくらいの売上高を上げなければならないかがわかります。また、いくらまで商品を値下げして良いかのヒントも与えてくれます。

通常は、損益分岐点売上高よりもキャッシュフロー分岐点売上高の方が低い金額となります。

キャッシュフロー分岐点について詳しいことは、下の本のなかで説明しています。

最後に

今回は、飲食店経営の計数管理のうち、損益分岐点について説明しました。ただ飲食店の経営者が知らなければならない計数管理は、損益分岐点売上高だけでは全く足りない。損益分岐点売上高では、営業利益0ということです。営業利益ゼロではお店は存続できません。ほとんどの飲食店では負債があるので、その返済原資分も稼がなくてはいけないし(売上を伸ばさないといけない)、個人事業主であれば自分の給料分も稼がなくてはいけない(その分の売上高も伸ばさなくてはいけない)。

だから、損益分岐点売上高を知っているだけでは全く足りない。例えば、目標利益売上高なども当然知っておいた方が良いと思います。

他にも、経営者が知らなければならない計数管理は、原価管理や事業計画、予実分析など、損益分岐点売上高以外にもたくさんあります。

これらの計数管理の方法については、計数管理コンサルのなかでお伝えしています。ご興味のある方はご覧ください。

計数管理コンサル

合わせて読みたいお勧め記事

参考:飲食店経営における管理会計とKPIのキホン


会計士・税理士による管理会計コンサル

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